🇨🇦カナダ
Canada
ワイン規定は連邦と州が分担する。連邦のFood and Drugs Actが含有物・添加物の基準を定め、アイスワインは「自然に凍結したブドウで造ること」とのみ規定し詳細は各州に委ねる。カテゴリーは(1)V.Q.A.(Vintners Quality Alliance)認証ワイン=高品質ワイン、現在規定運用はオンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア州のみ、(2)100% Canadian Wine(Product of Canada)、(3)International Blend(カナダ産原料と輸入原料のブレンド)の3つ。アイスワインは外気温-8℃以下で樹上凍結したブドウを収穫し、収穫後マスト糖度Brix35度以上、瓶詰時残糖100g/L以上、シャプタリゼーション禁止などが共通規定。
カナダはロシアに次ぐ広大な国土をもつ寒冷地ワイン生産国で、ヴィティス・ヴィニフェラ種への植え替えと醸造技術の進化により高品質ワインが増えている。主要産地は東のオンタリオ州(ナイアガラ・ペニンシュラ)と西のブリティッシュ・コロンビア州(オカナガン・ヴァレー)で、ほかにケベック州、ノヴァ・スコシア州がある。自然凍結したブドウから造るアイスワインが世界的に名高く、ヴィダルやリースリングが代表品種。寒冷気候を生かしたスパークリングワインの生産も増加している。酒類の輸入・販売が州政府の専売である点も特徴。
試験頻出ポイント
- ロシアに次ぐ世界2位の国土をもつ寒冷地ワイン生産国。栽培面積12,719ha、生産量663,000hL(2024年・O.I.V.)。
- 酒類の輸入・販売が州(準州)政府の専売。小売は専売公社が経営し、卸も専売公社が行う。
- 主要4州はオンタリオ州、ブリティッシュ・コロンビア州、ケベック州、ノヴァ・スコシア州。東のナイアガラ・ペニンシュラと西のオカナガン・ヴァレーが2大産地。
- アイスワインは外気温-8℃以下で樹上凍結したブドウを収穫し、収穫後マスト糖度Brix35度以上、瓶詰時残糖100g/L以上。シャプタリゼーション禁止。
- カテゴリーはV.Q.A.認証ワイン、100% Canadian Wine(Product of Canada)、International Blendの3つ。V.Q.A.規定の運用はオンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア州のみ。
- 代表品種はヴィダル。ユニ・ブランとセイベル4986の交雑種で、厚い果皮・高い酸度・耐寒性をもち、遅摘みやアイスワインに人気。
気候風土
太平洋側の西海岸沿岸部は暖流の影響で温帯に属し、夏は乾燥して過ごしやすく冬は温暖で雨が多い。西海岸沿岸部を除くと寒冷な地域が多く、毎年の天候によりワイン生産量の変動が大きい。オンタリオ州南端部は大きな湖や河川からの影響で厳しい寒さが和らげられ、ブドウ栽培に適した気候となっている。ノヴァ・スコシア州など大西洋側沿岸地方はより海洋性の気候となる。
ワイン法・カテゴリー
カナダは連邦制のため、連邦政府と州政府がともに立法権をもつ。連邦のFood and Drugs Actが含有物・添加物の基準を定め、アイスワインは「自然に凍結したブドウで造ること」とのみ規定し詳細は各州に委ねる。カテゴリーは(1)V.Q.A.(Vintners Quality Alliance)認証の高品質ワイン、(2)カナダ産ブドウ100%の100% Canadian Wine(Product of Canada)、(3)カナダ産原料と輸入原料をブレンドするInternational Blendの3つ。2018年3月以降、Canadaを含む表記は100%カナダ産ワイン以外に使えなくなった。
アイスワイン(規定)
外気温-8℃以下で樹上凍結した遅摘みブドウを収穫し、凍ったまま圧搾して造るデザートタイプの甘口ワイン。果粒内の水分は凍り、その他のエキス分は流れ出すため少量の凝縮したマストが得られる。共通規定として、V.Q.A.ワインとして官能評価を含む検査に合格、収穫後マスト平均糖度Brix35度以上、瓶詰時残糖100g/L以上、シャプタリゼーション禁止、人工冷凍など糖分凝縮操作の禁止(タンクを-4℃より低温に冷却することも禁止)がある。品種は認可ヴィニフェラ種またはヴィダル。
歴史
カナダのワイン造りは1811年にJohann Schillerがオンタリオ州で始めた。1988年の米加自由貿易協定を機に、政府は交雑品種・ラブルスカ種からヴィニフェラ種への植え替えを奨励し品質が向上した。アイスワインは1978年にブリティッシュ・コロンビア州オカナガン・ヴァレーのWalter Hainleが偶然樹上で凍ったブドウから造ったのが最初。1991年にはInniskillinのVidal Icewine 1989がボルドーのヴィネクスポで最高賞Grand Prix d’Honneurを受賞し、カナダワインへの世界的認識を一変させた。
品種
ヴィニフェラ種・交雑種を合わせて80種以上が栽培される。白はシャルドネ、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ヴィダル、黒はカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロ、ピノ・ノワール、シラー、バコ・ノワールが代表的。ヴィダル(ヴィダル・ブラン、ヴィダル256)はユニ・ブランとセイベル4986の交雑種で、冷涼地でも高い糖度を得られ、アイスワイン品種としての人気が高い。
主要ブドウ品種
- ヴィダル
- リースリング
- シャルドネ
- ピノ・ノワール
- カベルネ・フラン
- メルロ
産地(地方)(6)
- ナイアガラ・ペニンシュラオンタリオ州V.Q.A.のD.V.A.(Designated Viticultural Areas)の一つ。D.V.A.表示には当該アペレーションのブドウを85%以上使用し、サブ・アペレーションを名乗る場合は100%当該サブ・アペレーションのブドウを使用する。
- オカナガン・ヴァレーブリティッシュ・コロンビア州のG.I.(Wines of Marked Quality Regulationに基づく地理的表示)。G.I.ワインは当該G.I.内収穫のブドウを95%以上かつ州内産100%で用いる。アイスワインの地理的表示は州名以外のG.I.(オカナガン・ヴァレー等)であることが求められる。
- プリンス・エドワード・カウンティオンタリオ州V.Q.A.のD.V.A.(Designated Viticultural Areas)の一つ。
- レイク・エリー・ノース・ショアオンタリオ州V.Q.A.のD.V.A.(Designated Viticultural Areas)の一つ。サブ・アペレーションにSouth Islandsがある。
- シミラカミーン・ヴァレーブリティッシュ・コロンビア州のG.I.(Wines of Marked Quality Regulationに基づく地理的表示)の一つ。
- ノヴァ・スコシアV.Q.A.は未採用だが、2012年に州初のワイン・アペレーションTidal Bayが正式承認された。Tidal Bayは100%ノヴァ・スコシア産ブドウを用い、L’Acadie・Seyval・ヴィダル・Geisenheim 318が合計51%以上、アルコール度数11%以下で、ブラインド・テイスティングを含む品質評価に合格したもののみ名乗れる。
