ブルゲンラント州
Burgenland
州(包括的生産地域)の中に6つのD.A.C.(限定的生産地域)を擁する。ノイジードラーゼー、ライタベルク、ルスター・アウスブルッフ、ロザリア、ミッテルブルゲンラント、アイゼンベルク。ルスター・アウスブルッフはライタベルクD.A.C.の中にある貴腐甘口専用のD.A.C.で、ルスト産の辛口は規定を満たせばライタベルクD.A.C.を名乗れる。
ブルゲンラント州は栽培面積11,537ha。世界遺産ノイジードラーゼー(ノイジードル湖)に面し、ハンガリー国境に沿って南北166km・東西最短5kmという細長い州で、1921年までハンガリー王国領だった。パノニア平原からの暖気が流れ込むオーストリアで特に温暖な産地で、北や西からの冷気はライタ丘陵に遮られる。オーストリアの赤ワインの半分をこの州が産出し、ブラウフレンキッシュが看板品種。湖畔では霧による貴腐が発生し、世界的な甘口ワインの銘醸地でもある。
重要ポイント
- 栽培面積11,537ha。オーストリアの赤ワインの半分をこの州が産出する
- 世界遺産ノイジードル湖に面し、南北166km・東西最短5kmの細長い州
- 1921年(トリアノン条約・サン・ジェルマン条約)までハンガリー王国領
- 州内に6つのD.A.C.を擁し、看板品種はブラウフレンキッシュ
気候風土
パノニア平原からの暖気が流れ込む、オーストリアの中でも特に温暖な産地。北や西からの冷気は、ニーダーエステライヒ州との境をなすライタ丘陵に遮断される。東端のノイジードル湖は気温変化を和らげ、ワインに穏やかさをもたらす。一方アイゼンベルクのエリアはより冷涼なシュタイヤーマルクの影響を受け、山塊がミッテルブルゲンラント方面からの温風を遮るため相対的に涼しい。
土壌
州の大半は非固結性の土壌である。ノイジードラーゼーやライタベルクの平地部分は砂礫質でしばしば石灰質を含み、ミッテルブルゲンラントやアイゼンベルクの平地部分は粘土質、ロザリアは砂質やローム質が代表的。ライタベルクの丘陵部分には第三紀のライタ石灰岩と片岩・片麻岩、アイゼンベルクの丘陵部分には緑色片岩・千枚岩・蛇紋岩が多い。
歴史
955年以降、1921年にオーストリア領となるまではハンガリー王国の領土だった。ブルゲンラントは「城塞の州」を意味し、トルコからの侵略に備えた多くの城に由来する。第二次世界大戦後はソ連統治下となり1955年に主権を回復、以降は東西陣営の最前線として国境に鉄条網が張られた。1989年7月27日に両政府が国境フェンスに穴をあけたことが冷戦体制崩壊の引き金となった。
主要ブドウ品種
- ブラウフレンキッシュ
- ツヴァイゲルト
- サンクト・ラウレント
- ヴェルシュリースリング
- シャルドネ
- ヴァイスブルグンダー
サブ地区・アペラシオン(6)
- ノイジードラーゼーノイジードラーゼーD.A.C.(赤はレゼルヴェ2010年・クラシック2011年、甘口は2020年ヴィンテージから)。赤はツヴァイゲルト単一で残糖最大4g/L、クラシック最低アルコール12%、レゼルヴェ13%。甘口はクヴァリテーツワイン認可の全白品種が使用可能で残糖最低45g/L。甘口D.A.C.レゼルヴェにはアペトロン・イルミッツ・ポダースドルフ産で「ゼーヴィンケル」表記が認められる。
- ライタベルクライタベルクD.A.C.(赤は2008年、白は2009年ヴィンテージから)。白はピノ・ブラン、シャルドネ、ノイブルガー、グリューナー・ヴェルトリーナーの単一またはブレンドで辛口。赤はブラウフレンキッシュ単一で、ザンクト・ラウレント、ツヴァイゲルト、ピノ・ノワールを最大15%までブレンド可、残糖2.5g/L未満。最低アルコール12.5%で木樽使用が義務付けられるが、樽の風味が目立ってはいけない。
- ルスター・アウスブルッフルスター・アウスブルッフD.A.C.(2020年認定)。貴腐甘口専用で最低糖度30度KMW・残糖最低45g/L。クヴァリテーツワイン認可の白品種が使用可能。
- ロザリアロザリアD.A.C.(2017年ヴィンテージから赤・ロゼ)。赤はブラウフレンキッシュとツヴァイゲルト、ロゼはクヴァリテーツヴァイン認可の黒ブドウから1つ以上。アルコールは最低12%(レゼルヴェは13%)、残糖は最高4g/L(ロゼはトロッケン)。
- ミッテルブルゲンラントミッテルブルゲンラントD.A.C.(2005年ヴィンテージから赤)。品種はブラウフレンキッシュで残糖最大2.5g/L。クラシックは最低アルコール12.5%・最大13%、うち単一畑やクリュは最低13%・最大13.5%、レゼルヴェは最低13%。クラシックはステンレスタンクや使用済みオーク製小樽など、レゼルヴェは伝統的オーク製大樽ないし小樽で熟成する。
- アイゼンベルクアイゼンベルクD.A.C.(レゼルヴェは2008年、クラシックは2009年ヴィンテージから赤)。Gebietsweinはブラウフレンキッシュのみ、Riedenweinは赤がブラウフレンキッシュ、白がヴェルシュリースリングのみ。アルコールはクラシック最低12.5%、レゼルヴェ最低13%。残糖は最大4g/L。