🇧🇬ブルガリア
България
EUのP.D.O.(原産地呼称保護、現在52地区)とP.G.I.(地理的表示保護、Thracian ValleyとDanube Plainの2地域)を採用。P.G.I.はブドウの85%以上が当該地域産であることを要する。慣例的には5大生産地域(ドナウ平原・バラ・ヴァレー・黒海沿岸・トラキア・ヴァレー・ストルマ・ヴァレー)でも語られる。
ブルガリアはバルカン半島南東部、北緯41〜44度に位置する世界最古級のワイン生産国で、紀元前1500年頃からのトラキア文化以来ワインが造られてきた。ヨーグルトとバラの産地としても知られ、国土中央を東西に走るBalkan Mountainsを境に北のドナウ平原と南のトラキア・ヴァレーへ分かれる。土着品種マヴルッド・メルニク・ガムザ・ディミャットや、20世紀の交配品種ルビンが特徴で、国際品種のメルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネも広く栽培される。社会主義期の量産、1990年代の民営化、2007年のEU加盟を経て近代化と固有品種の再評価が進んでいる。
試験頻出ポイント
- 紀元前1500年頃から紀元後6世紀まで居住したトラキア人がワイン文化を築いた世界最古級のワイン生産国。トラキア人はワインを水で薄めず飲み、女性の飲酒も許された。
- ヨーグルトとバラ(ダマスクローズのローズオイル)の産地として知られる。
- 国土中央を東西に走るBalkan Mountainsを境に、北の大陸性気候のドナウ平原と、南の比較的温暖なトラキア・ヴァレーに分かれる。
- 1960年に5つのワイン生産地域(Danube Plain・Rose Valley・Black Sea・Thracian Valley・Struma Valley)へ区分された。
- 代表的な土着品種は黒のマヴルッド・メルニク(Shiroka Melnishka Loza)・ガムザ・パミッド、白のディミャット・レッド・ミスケット。20世紀の交配品種ルビン(Syrah×Nebbiolo)も特徴的。
- 社会主義期は国営公団VINPROMの下でソ連圏向けの量産が優先された。1990年代の民営化と2007年1月のEU加盟を経て近代化と固有品種の再評価が進む。
歴史
8000年以上前のブドウ種子が発見される東西文明の十字路で、トラキア人がワインを知恵・力・勇気と結びつけ、ディオニソスやトラキアの神ザグレウスと関連づけた。9世紀後半にBoris Iがキリスト教を国教化し、14世紀以降のオスマン帝国支配下でもキリスト教徒の生活でワイン造りが続いた。1878年の解放後にブドウ畑が拡大したが19世紀末のフィロキセラで激減し、1902年にPlevenにワイン研究所が設立された。1909年にはSuhindolで最初の協同組合Gamzaが設立されている。
気候風土
地形が多様で地域差が大きい。南や西を囲むPirin・Rila・Rhodope・Sakarなどの山脈が雨を遮り、乾いた風が生育期のカビ発生を抑え、温暖で雨の少ない日照の長い秋をもたらす。国土中央を東西に走るBalkan Mountainsにより北側は冬が厳しく、南側は比較的温暖になる。夏は日中40度を超える地域もあるが乾燥し、朝夕は気温が下がるため日較差が大きい。
品種
2000を超える土着/固有品種があるとされる。黒ブドウの代表はタンニン豊富で長熟型のマヴルッド(Plovdiv・Asenovgrad周辺)、晩熟のメルニク、高酸・低タンニンのガムザ(東欧名Kadarka)、淡色で早飲みのパミッド。白ブドウはディミャット、レッド・ミスケット、Tamyankaなど。交配品種ルビン(1940年代にPlevenでSyrah×Nebbiolo)も知られる。国際品種ではメルロとカベルネ・ソーヴィニヨンが栽培面積上位を占める。
ワイン法
2007年のEU加盟時にP.D.O.(原産地呼称保護)とP.G.I.(地理的表示保護)を採用し、2012年に改正した。P.D.O.は旧G.D.O.とG.C.D.O.を併せたもので現在52生産地が登録される。P.G.I.は旧来の5地域からThracian ValleyとDanube Plainの2つへ整理され、ブドウの85%以上が当該地域産である必要がある。
主要ブドウ品種
- マヴルッド
- メルニク
- ガムザ
- ディミャット
- ルビン
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- メルロ
