🇨🇱チリ
Chile
D.O.(原産地呼称)は1994年農務省令第464号で定められ、AOCのように収量や熟成を細かく定めず地理的範囲を示す制度。北からAtacama、Coquimbo、Aconcagua、Central Valley、South、Australの大区分があり、その下に谷(Valley)単位のD.O.が置かれる。2011年の改訂で、海からアンデスへの垂直方向の差を示すCosta(沿岸)・Entre Cordilleras(両山脈の間)・Andes(アンデス山麓)の補助表示が可能になった(当該ゾーンのブドウ85%以上使用)。任意のD.O.表示は表示地域のブドウ75%以上(輸出向けは85%基準)。
南北4,274kmに及ぶ細長い国で、ワイン産地は南緯約27度から46度まで2,000km以上続く。東に6,000m級のアンデス山脈、西に太平洋とフンボルト寒流をもち、主要産地の多くは冬に雨が降り夏は乾燥する地中海性気候。アンデスの雪解け水による灌漑、海風と海霧Camanchaca、昼夜の寒暖差が栽培を支える。19世紀にボルドー系品種が導入され、ボルドーで絶えたカルメネールが残った産地として知られる。フィロキセラ未被害で自根栽培が多いことも特徴。日本ではチリとの経済連携協定で2019年に関税ゼロとなり輸入が伸びた。
試験頻出ポイント
- 南北4,274kmに及ぶ細長い国で、東西幅は最も狭い所で約90km。ワイン産地は南緯約27度から46度付近まで2,000km以上続く
- 19世紀にボルドーから導入されMerlotと誤認されて残ったCarmenereは、1994年11月にJean Michel Boursiquotが確認し、1996年にSAGがラベル表示を認可した
- フィロキセラの被害が確認されておらず、伝統的に自根栽培。MugronまたはProvignageと呼ぶ取り木・埋め枝で樹を増やしてきた
- 2011年の制度改訂で、海からアンデスへの垂直方向の差を示すCosta・Entre Cordilleras・Andesの補助表示が可能になった(当該ゾーンのブドウ85%以上)
- D.O.は1994年農務省令第464号で定められ、AOCのように収量や熟成を細かく定めず地理的範囲を示す制度。北からAtacama、Coquimbo、Aconcagua、Central Valley、South、Australの大区分を持つ
- 日本・チリ経済連携協定によりワイン関税は段階的に引き下げられ、2019年4月1日にゼロとなった
歴史
16世紀半ば、スペイン人宣教師がミサ用にPais(Listan Prieto)やMoscatelを持ち込んだのが始まりとされる。1818年の独立後、硝石や鉱山業で富を得た人々がボルドー系品種とフランスの醸造技術を導入し、1851年に視察したSilvestre Ochagaviaが1852年に多くのフランス系品種をMaipoのTalaganteへ導入した。1979年にはスペインのMiguel TorresがCuricoに進出し、ステンレスタンクやオーク樽による近代的醸造を根付かせた。
気候風土
主要産地の多くは冬に雨が降り夏は乾燥する地中海性気候で、アンデスの雪解け水による灌漑が支える。成熟期の涼しさは、アンデスから下りる冷気と、フンボルト寒流に冷やされた海風・海霧Camanchacaによって確保される。沿岸部の昼夜の寒暖差は15〜18℃、アンデス山麓では20℃を超えることもある。低緯度で紫外線が強いため果皮が厚くなり、Pinot Noirや冷涼地Syrahでも色の濃いワインになりやすい。
土壌・地形
チリの地形は、ナスカプレートの沈み込みによるアンデス造山と、より古い海岸山脈によって形づくられた。アンデス山麓は火山性・崩積性の土壌、中央平野は肥沃な沖積土、海岸山脈側は砂質・古い土壌・石灰質土壌が見られる。南北の緯度差だけでなく、海からアンデスへの東西方向の差がワインの個性を大きく左右する。
主要産地・D.O.
D.O.は北からAtacama、Coquimbo、Aconcagua、Central Valley、South、Australに大別され、その下に谷(Valley)単位のD.O.が置かれる。任意のD.O.表示は表示地域のブドウ75%以上(輸出向けはSAG監督下で85%基準)。2011年改訂でCosta・Entre Cordilleras・Andesの補助表示が加わった(当該ゾーン85%以上)。Central Valleyが造りの中心地で、北部沿岸や南部の冷涼・乾地栽培地帯へ多様化が進む。
品種
2023年の栽培面積は124,436haで、Cabernet Sauvignonが約28%を占め最大。Sauvignon Blanc、Pais、Merlot、Carmenere、Chardonnay、Syrahが続く。ボルドー系品種を含めると6割を超える。Maule産Carignanの古木乾地栽培を再評価する団体VIGNO(2009年設立)は、樹齢30年以上・乾地栽培・株仕立てen vaso・Carignan85%以上などを条件とする。
主要ブドウ品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- カルメネール
- メルロ
- シャルドネ
- ソーヴィニヨン・ブラン
- パイス
- シラー
産地(地方)(12)
- エルキ・ヴァレーD.O. Coquimbo内の谷(Valley)D.O.。Costa/Entre Cordilleras/Andesの補助表示が可能。
- リマリ・ヴァレーD.O. Coquimbo内の谷(Valley)D.O.。Costa/Entre Cordilleras/Andesの補助表示が可能。
- アコンカグア・ヴァレーD.O. Aconcagua内の谷(Valley)D.O.。Costa/Entre Cordilleras/Andesの補助表示が可能。
- カサブランカ・ヴァレーD.O. Aconcagua内の谷(Valley)D.O.。Costa/Entre Cordilleras/Andesの補助表示が可能。
- サン・アントニオ・ヴァレーD.O. Aconcagua内の谷(Valley)D.O.。Costa/Entre Cordilleras/Andesの補助表示が可能。
- マイポ・ヴァレーD.O. Central Valley内の谷(Valley)D.O.。Costa/Entre Cordilleras/Andesの補助表示が可能。
- カチャポアル・ヴァレーD.O. Central ValleyのRapel Valley内の谷(Valley)D.O.。補助表示が可能。
- コルチャグア・ヴァレーD.O. Central ValleyのRapel Valley内の谷(Valley)D.O.。補助表示が可能。
- クリコ・ヴァレーD.O. Central Valley内の谷(Valley)D.O.。Costa/Entre Cordilleras/Andesの補助表示が可能。
- マウレ・ヴァレーD.O. Central Valley内の谷(Valley)D.O.。Costa/Entre Cordilleras/Andesの補助表示が可能。
- イタタ・ヴァレーD.O. South内の谷(Valley)D.O.。Secano Interiorの乾地栽培地帯にまたがる。
- ビオ・ビオ・ヴァレーD.O. South内の谷(Valley)D.O.。Secano Interiorの乾地栽培地帯にまたがる。
