🇺🇸アメリカ
United States
産地呼称はA.V.A.(American Viticultural Area=アメリカ政府承認ブドウ栽培地域)で、TTBが管轄する。A.V.A.名を表示するには当該A.V.A.産ブドウを85%以上、州名・カウンティ名は75%以上、畑名は95%以上使用する必要がある(カリフォルニア州名は100%、オレゴンはA.V.A.・カウンティ表記に当該産地ブドウ95%以上などの州独自基準もある)。品種名表示は当該品種を75%以上使用すること。EUとの協定でセミ・ジェネリック名称(Chablisなど流用名)の新規使用は禁止された。
アメリカは50州すべてでワインが造られ、生産量の大半をカリフォルニア州が占める世界有数の生産国。太平洋岸のカリフォルニア・オレゴン・ワシントンが品質の中心で、東部のニューヨーク州なども産地として知られる。1976年のパリ・テイスティング(パリスの審判)でナパのワインがフランスの銘醸を破り、国際的評価を確立した。1920〜1933年の禁酒法で一度壊滅したワイン産業が、戦後に復興・急成長した歴史をもつ。
試験頻出ポイント
- ブドウ栽培面積385,000ha、ワイン生産量24,516,773hL(2024年)。国内ワイン消費量は世界最大で、中高級ワインの輸入も多い最重要消費国。
- カリフォルニア州が全生産量の約80%を占め、ワイナリー数の約42%が集中。オレゴン・ワシントン・ニューヨーク・ヴァージニアも高品質産地として認知が高まる。
- 産地呼称はA.V.A.(米国政府認定ブドウ栽培地域)。境界を定めるだけで品種・栽培・醸造は規定せず、格付けもない。管轄はTTB。
- 表示規定はA.V.A.85%以上、国名・州名・カウンティ名は75%以上、畑名は95%以上、品種名は75%以上。州独自基準もある(カリフォルニア州名は100%)。
- 1976年のパリ・テイスティング(パリスの審判)で赤白ともナパのワインが仏銘醸を破り、カリフォルニアワインが国際的認知を得た。
- 1920〜1933年の国家禁酒法で産業は壊滅。撤廃後、ワインインスティテュートやUCデイヴィス校との協働で復興・急成長した。
歴史
東部には自生するヴィティス・ラブルスカ系が多く、ヴィニフェラ系はフィロキセラや寒さで定着しなかった。西部・南部では18世紀後半にフランシスコ修道会がメキシコから北上し、太平洋岸にスペイン原産のブドウをもたらした。1920〜1933年の国家禁酒法で産業はほぼ壊滅したが、撤廃後、1934年のワインインスティテュート設立やUCデイヴィス校との協働で復興した。1976年のパリ・テイスティングでナパのワインがフランスの銘醸を破り、世界的な品質競争のきっかけとなった。
気候風土
主要産地は太平洋岸のカリフォルニア・オレゴン・ワシントンと大西洋岸のニューヨーク。太平洋岸は北から南へ流れる寒流の影響で海に近いほど冷涼、内陸ほど暑くなる。海岸山脈やカスケード山脈・シェラネヴァダ山脈が雨を遮るため内陸は乾燥し灌漑が必要。ワシントンのコロンビア・ヴァレーはカスケード山脈のレイン・シャドー効果で半砂漠気候となる。
ワイン法・表示
酒類はTTB(2003年にBATFを継承)が管轄する。A.V.A.は地理的・気候的条件をもつエリアの境界を規定するもので、品種や栽培・醸造方法は定めず、格付けも存在しない。産地表示はA.V.A.85%以上、国名・州名・カウンティ名75%以上、畑名95%以上。品種名表示は当該品種75%以上が必要。EUとの二国間協定により2006年以降、シャブリやシャンパーニュなどセミ・ジェネリック名称の新規使用は禁止された。
品種
西部太平洋岸ではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・グリ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、メルロが多く、特に冷涼な地区ではピノ・ノワールやリースリングの割合が高い。東部のニューヨーク州などではリースリング、シャルドネ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワールなど冷涼気候向き品種が中心となる。
主要ブドウ品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- シャルドネ
- ピノ・ノワール
- ジンファンデル
- メルロ
- シラー
産地(地方)(13)
- ナパ・ヴァレーナパ・ヴァレーA.V.A.内には17のサブリージョン(Nested A.V.A.)があり、Stags Leap District、Oakville、Rutherford、Howell Mountainなどが著名。1968年にアメリカ初の農業用地保護法(Agricultural Preserve)を成立させ畑を保護してきた。
- ソノマ・ヴァレーソノマ・ヴァレーA.V.A.はBennett Valley、Sonoma Mountain、Moon Mountain District、Los Carnerosなどを含む。ソノマ・カウンティはサステイナブル認証への取り組みが進み、畑の大半が認証済み。
- ロシアン・リヴァー・ヴァレーロシアン・リヴァー・ヴァレーA.V.A.内には、より冷涼で霧の影響が強いグリーン・ヴァレー・オブ・ロシアン・リヴァー・ヴァレーA.V.A.のサブA.V.A.がある。
- カーネロスカーネロス/ロス・カーネロスA.V.A.はナパ・カウンティとソノマ・カウンティにまたがる。砂質ロームと粘土質主体で、浅い表土と硬い粘土の岩盤により収量が抑えられる傾向がある。
- パソ・ロブレスパソ・ロブレスA.V.A.はセントラル・コーストを構成する主要A.V.A.の1つ。
- サンタ・バーバラサンタ・バーバラ・カウンティにはSanta Maria Valley、Santa Ynez Valley、Happy Canyon of Santa BarbaraなどのA.V.A.がある。
- モントレーモントレー・カウンティにはMonterey、Santa Lucia Highlands、Arroyo Seco、Chaloneなど多くのA.V.A.がある。
- ローダイローダイA.V.A.はサステイナブル認証制度ローダイ・ルール(Lodi Rules、2005年制定)発祥の地として知られ、カリフォルニアで最も早い時期の認証制度の1つ。
- シエラ・フットヒルズシエラ・フットヒルズA.V.A.に含まれるすべての地区でジンファンデルが代表品種となっており、アマドールやエルドラドなどのカウンティを含む。
- メンドシーノメンドシーノ・カウンティにはMendocino、Anderson Valley、Mendocino RidgeなどのA.V.A.がある。
- ウィラメット・ヴァレーウィラメット・ヴァレーA.V.A.はオレゴンを代表する産地。オレゴンはA.V.A.・カウンティ表示に当該産地ブドウ95%以上などの州独自基準を設けている。
- コロンビア・ヴァレーコロンビア・ヴァレーA.V.A.はワシントン州最大の広域A.V.A.で、Yakima Valley、Walla Walla Valley、Red Mountainなど多くのサブA.V.A.を内包する。
- フィンガー・レイクスフィンガー・レイクスA.V.A.にはSeneca Lake A.V.A.とCayuga Lake A.V.A.の2つのサブリージョンがある。主要品種はリースリング、シャルドネ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワールなど。
