🇦🇷アルゼンチン
Argentina
法律25163(1999年施行)により産地呼称を3階層に分類。I.P.(Indicacion de Procedencia 原産地表示)、I.G.(Indicacion Geografica 地理的表示)、D.O.C.(Denominacion de Origen Controlada 原産地統制呼称)。産地名表示は当該産地のブドウを80%以上使用する必要がある。管轄はINV(国立ブドウ栽培醸造研究所)。D.O.C.はルハン・デ・クージョ(2005年)とサン・ラファエル(2007年)の2件のみで、近年は自由度の高いI.G.認証が主流。熟成表示はReserva・Gran Reserva。
南米第2の面積を誇る大陸性(内陸型)気候の巨大ワイン産地。ブドウ畑は西部を南北に走るアンデス山脈沿いに、北のフフイ州から南のチュブ州まで約2,500kmにわたって分布する。海洋の影響がほぼ無いため、涼しさは標高に求めるのが基本で、畑は海抜450mから3,329m近くまで広がる。強い日照と昼夜の大きな気温差、極端に少ない降水量(年150〜400mm)が特徴で、アンデスの雪解け水による灌漑が欠かせない。黒ブドウのマルベック、白のトロンテスが看板品種。生産者団体ワインズ・オブ・アルゼンチンは産地をノルテ(北部)、クージョ(中央部)、パタゴニア(南部)に分類し、2017年から大西洋沿岸部のアトランティカを加えた4地域とした。
試験頻出ポイント
- ブドウ畑はアンデス山脈沿いに北のフフイ州から南のチュブ州まで直線距離約2,500kmにわたり分布する
- 海洋の影響がほぼ無い大陸性(内陸型)気候で、涼しさは標高に求める。畑は海抜450mから3,329m近くまで広がる
- 年間降水量は150〜400mmと極端に少なく、アンデスの雪解け水を用水路や地下水で引く灌漑が欠かせない
- 黒のマルベック(2024年栽培面積47,064haで首位)、白のトロンテスが看板品種
- フェーン現象の一種ソンダ(Zonda)という強風や、毎年降る雹(防雹ネットAnti-granizoで対策)が栽培上のリスク
- ワイン法は3階層(I.P. / I.G. / D.O.C.)。産地名表示には当該産地のブドウ80%以上が必要で、管轄はINV(国立ブドウ栽培醸造研究所)
気候風土
ブドウ生育期の積算温度分布の幅が極めて広く、フランスのシャブリからラングドックまでがすべてメンドーサに収まるほどである。高地で緯度が低く紫外線が極端に強いため、樹へのストレスが品種固有の香りや味わいを強く引き出す。湿気が少なくカビ除けの薬剤散布が不要で、健全でナチュラルな畑環境が保たれる。海抜高度が上がると気温が下がるうえ、空気が薄く夜温が急激に下がるため、光合成を促進しつつ酸の消費を抑えられる。
主要産地
生産者団体ワインズ・オブ・アルゼンチンは、従来ノルテ(北部)、クージョ(中央部)、パタゴニア(南部)に分類してきたが、2017年から大西洋沿岸部のアトランティカを加えた4地域とした。クージョはラ・リオハ、サン・フアン、メンドーサの3州からなり南アメリカ最大の生産量をもつ。ノルテはカルチャキ・ヴァレーやフフイ州のケブラダ・デ・ウマワカ(標高2,720〜3,329m、世界最高地クラス)を含む。アトランティカはマル・デル・プラタ近郊のアルゼンチン初の海風・霧の影響を受ける新産地である。
品種
マルベックは南西フランス原産でカオールのコットと同一品種。1853年にメンドーサに植栽され、この日が「マルベックデー」とされる。海抜高度が上がるほど総タンニン量が増す一方、苦く収斂するモノメリック・タンニンは涼しくなるにつれ減り、まろやかな重合体タンニンになる。白のトロンテスはリオハーノ、サンファニーノ、メンドシーノの3亜種があり、カファジャテ産が最も個性的で柑橘とバラの花弁の香りが強い。ボナルダはDNA解析でフランス・サヴォワ原産のドゥース・ノワールと判明している。
歴史
ヴィティス・ヴィニフェラはコロンブス以降キリスト教の普及活動者がスペインから持ち込んだとされ、カナリア諸島経由のリスタン・プリエトがアルゼンチンではクリオジャと呼ばれた。1853年に農事試験場(キンタ・ノルマル)がメンドーサに開設され、植物学者ミシェル・プージェがマルベックなどを初めて植えた。20世紀初めにはイタリア移民がボナルダとパラール(棚仕立て)をもたらし大量生産時代を築いた。1970年の1人当たり消費量91.8Lをピークに消費が激減し、産業は輸出市場の開拓と高地テロワールへ転換した。
主なスタイル
ワイン法25163(1999年施行)はI.P.ワイン、I.G.ワイン、D.O.C.ワインの3区分を定めた。D.O.C.はルハン・デ・クージョ(2005年)とサン・ラファエル(2007年)の2件のみで、近年は自由度の高いI.G.認証が主流である。熟成表示はReserva(赤は樽1年以上、白は6カ月以上)とGran Reserva(赤は2年以上、白は1年以上)。スパークリングワインはドザージュ量によりナトゥール、ブリュット・ナトゥール、エクストラ・ブリュット、ブリュット、デミ・セック、ドゥルセを表示する。
主要ブドウ品種
- マルベック
- ボナルダ
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- シラー
- トロンテス
- シャルドネ
産地(地方)(9)
- メンドーサI.G.メンドーサ(州全域)。傘下にルハン・デ・クージョ、マイプー、ウコ・ヴァレー等の下位I.G.。D.O.C.はルハン・デ・クージョ(2005年)、サン・ラファエル(2007年)の2件。
- ルハン・デ・クージョI.G.ルハン・デ・クージョ。2005年にアルゼンチン初のD.O.C.(D.O.C.ルハン・デ・クージョ)に認定された。
- マイプI.G.マイプー。下位のI.G.としてバランカス、クルース・デ・ピエドラ、ルンルンタが認定されている。
- ウコ・ヴァレーI.G.バジェ・デ・ウコ。下位に村名I.G.(グアルタジャリー、ラ・コンスルタ、パラヘ・アルタミラ、サン・パブロ等)。パラヘ・アルタミラは石灰質土壌の特徴で認証された地理的表示。
- サン・フアンI.G.サン・フアン。下位の地理的表示にトゥルム、ソンダ、ペデルナル、ウジュム等がある。
- サルタ/カファジャテI.G.カファジャテ、I.G.バジェス・カルチャキエスなど。フフイ州側にはI.G.ケブラダ・デ・ウマワカ(標高2,720〜3,329m、世界最高地クラスの畑)がある。
- ラ・リオハI.G.ファマティナ、I.G.ラ・リオハなど。
- リオ・ネグロI.G.リオ・ネグロ。下位にアルト・バジェ・デル・リオ・ネグロ等の地理的表示。
- ネウケンI.G.ネウケン。サン・パトリシオ・デル・チャニャル等の栽培地がある。
