🇭🇺ハンガリー
Magyarország
1956年にフランスのAOCに相当するワイン法を制定し、2004年のEU加盟を経て、2011年からEUの3品質カテゴリーに整理された。地理的表示なしのBOR(Asztali bor/Magyar bor)、地理的表示保護のP.G.I.(O.F.J.=Oltalom alatt allo foldrajzi jelzes)、原産地呼称保護のP.D.O.(O.E.M.=Oltalom alatt allo eredetmegjeloles)の3層からなる。現在は6 P.G.I.と40 P.D.O.があり、原産地ごとに独自規定をもつD.H.C.(Districtus Hungaricus Controllatus)も任意の上位格付けとして設けられる。
ハンガリーは中央ヨーロッパのカルパチア盆地に位置する内陸国で、大陸性気候を基調に夏冬の気温差が大きい。栽培面積の約3分の2を白品種が占め、固有のフルミントやオラスリツリング(Olasz Rizling)が重要だが、最も作付けの多い品種は黒のケークフランコシュ(=ブラウフレンキッシュ)である。世界三大貴腐ワインのトカイ・アスーで知られ、ルイ14世が「王のワインにしてワインの王」と称した。北部エゲルの赤ブレンド「雄牛の血」エグリ・ビカヴェールも代表的で、全国に6つのP.G.I.(O.F.J.)と40のP.D.O.(O.E.M.)をもつ。
試験頻出ポイント
- カルパチア盆地に位置する内陸国。大陸性気候を基調に夏冬の気温差が大きく、産地は北緯45〜49度・標高100〜300mが中心。
- 栽培面積の約3分の2は白用品種だが、最も作付けの多い品種は黒のケークフランコシュ(=ブラウフレンキッシュ)。
- 白の重要品種はフルミントとオラスリツリング。固有品種にカダルカ、シェルシェギ・フューセレシュなど。
- 世界三大貴腐ワインのトカイ・アスーで知られ、ルイ14世が「王のワインにしてワインの王」と称した。
- 北部エゲルの赤ブレンド「雄牛の血」エグリ・ビカヴェールも代表的。
- 6つのP.G.I.(O.F.J.)と40のP.D.O.(O.E.M.)をもち、任意の上位格付けD.H.C.も設けられる。
歴史
本格的なブドウ栽培は古代ローマ人が伝え、282年のプロブス帝による再植栽でバラニャやバラトン地方にも畑が広がった。896年にマジャル人がカルパチア盆地へ定住し、1000年のキリスト教王国建国後にベネディクト派宣教師が栽培地拡大に貢献した。1867年以降ブドウ畑は40万haを超え、フランス、イタリアに次ぐ世界第3位の生産国となったが、1875年以降フィロキセラ被害で激減した。
ワイン法と品質分類
1956年にフランスのAOCに相当するワイン法を制定し、14生産地区で原産地品質を保証した。2004年のEU加盟を経て2011年から3品質カテゴリーに整理された。地理的表示なしのBOR、地理的表示保護のP.G.I.(O.F.J.)、原産地呼称保護のP.D.O.(O.E.M.)の3層からなる。原産地ごとに独自規定をもつD.H.C.(Districtus Hungaricus Controllatus)が任意の上位格付けとして設けられ、ヴィラーニやエゲルなどが用いる。
品種
ハンガリー語でブドウはszolo、ワインはborと、ラテン語系のvin/vino/wineとは異なる。最も作付けの多いケークフランコシュに加え、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、メルロー、ピノ・ノワールなど国際品種の比率が高まる。白ではフルミントとオラスリツリングが重要で、トカイのフルミント、大平原のシェルシェギ・フューセレシュなど地域固有品種も核となる。
主要ブドウ品種
- フルミント
- ハールシュレヴェリュ
- ケークフランコシュ
- オラスリツリング
- カダルカ
- カベルネ・フラン
産地(地方)(8)
- トカイトカイP.D.O.(O.E.M.)。承認主要品種はフルミント(全体の約65%)、ハールシュレヴェリュ、シャールガ・ムシュコターイ、カバール、クヴェルセルー、ゼータの6品種。トカイ・アスーは残糖120g/L以上・樽熟成18ヵ月以上で、2013年改定により3・4プットニョシュは廃止され、現在は残糖量による表示が基準で5・6プットニョシュ表記は任意。エッセンシアは残糖450g/L以上。辛口シャモロドニ(Szaraz Szamorodni)は残糖9g/L以下、甘口シャモロドニ(Edes Szamorodni)は45g/L以上。補糖は禁止で、トカイ地方内での瓶詰めが義務づけられる。
- エゲルエゲルP.D.O./D.H.C.(Eger D.H.C.)。エグリ・ビカヴェールは常にブレンド(キュヴェ)で、主要品種のケークフランコシュを30〜65%使用する。クラシクス(Classicus)はオーク樽6ヵ月以上、スペリオール(Superior)とグラン・スペリオール(Grand Superior)は12ヵ月以上の熟成が必要。白ブレンドのエグリ・チッラグは4品種以上をブレンドし、単一品種が50%を超えてはならず、同じく3カテゴリーに分かれる。
- ヴィラーニヴィラーニP.D.O./D.H.C.(Villany D.H.C.)。ハンガリークロッカスの商標を用い、クラシクス(Classicus)、プレミアム(Premium)、スーパープレミアム(Super Premium)の3品質レベルをもつ。ヴィラーニ・フランはカベルネ・フラン100%のプレミアムまたはスーパープレミアムで、最低1年の樽熟成、スーパープレミアムはさらに1年の瓶熟成と官能審査が課される。2018年からはポルトギーザー主体の軽快な赤ブレンド「REDy」も生産される。
- セクサールドセクサールドP.D.O.。セクサールディ・ビカヴェールは4品種以上のブレンドで、ケークフランコシュ45%以上、カダルカ5%以上を含み、1年以上のオーク樽熟成と最大収量100hL/haが課される。販売は収穫から2年目の年末以降。より厳格な上位区分プレミアム・ビカヴェールは最大収量60hL/haなどさらに高い要件をもつ。
- バダチョニバダチョニP.D.O.。バラトン・ボッレーギオーに属し、各P.D.O.には地域内の特別な格付けが整備される。主要品種はオラスリツリング、シュルケバラート、ケークニェリュ、ライナイ・リースリング、フルミントなど。
- ソンローショムローP.D.O.。バラトン・ボッレーギオーに属する。主に火山性土壌で、玄武岩、凝灰岩、石灰質、パンノニア期堆積物が混じる。主要品種はオラスリツリング、ユフファルク、フルミント、ハールシュレヴェリュ、トラミニ。
- ショプロンショプロンP.D.O.。フェルシェー・パンノン・ボッレーギオーに属する。主要品種はケークフランコシュ、ツヴァイゲルト、カベルネ・ソーヴィニヨン、ゼルト・ヴェルテリーニ(Gruner Veltliner系)、メルロー、ピノ・ノワール。
- マートラマートラP.D.O.。フェルシェー・マジャロルサーグ・ボッレーギオーに属する。主要品種はリースリングシルヴァーニ、ケークフランコシュ、シャスラ、オラスリツリング、シャルドネ、イルシャイ・オリヴェール、カベルネ・ソーヴィニヨン。
